理学療法士として
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パート体験記

理学療法士という仕事がきついと感じるけど、どうしたらいい?

 理学療法士養成校を卒業し、晴れて理学療法士としてスタートを切ったものの、働いてみてビックリ。

 想像もしていなかったきつさを目の当たりにしました。

 「3年間働いてみればきっと変わる。」そう信じて、私は働き続けましたが、何年働いてもやっぱりきついものはきつい。

 きっと、このページにたどり着かれたあなたも、同じ様に思っていたのではないでしょうか?

 この記事でお伝えする事は以下の通りです。

・自分がきついと感じている理由を考えよう

・結論:きついと感じる「理由」を払拭できる働き方をしよう

理学療法士の仕事をきついと感じる理由は何なのか

精神的疲労

マルチタスク

 現在は1対1でリハビリを提供されている方が多いと思いますが、それでもこの仕事はマルチタスクです。

 理由は、私は患者さんにリハビリを提供する間に考えることや実施することは多岐にわたるからです。

 患者さんと良好な関係を築くためのコミュニケーションだけでなく、全身状態の変化に気をつけながら、転倒なども予防しながらリハビリを実施。

 リハビリの時間外には、患者さんを取り巻くさまざまなスタッフと情報の共有や対応に追われる…といった具合です。

 いつ何が起きても大丈夫なように、色々なことに気を配り、事故のないよう常に緊張感を持って取り組む、大変マルチタスクな仕事です。

 ほどほどのマルチタスクなら良いのですが、そのような状況が長く続いたり、中々息抜きができない方の場合にはかなり疲労感を感じるでしょう。

人間関係

 リハビリを提供する上では、人間関係を良好に保たないとまともに仕事ができない環境は多いです。特に医療機関や在宅ではその影響が強いでしょう。

 医療機関でリハビリを提供する際には、まずは医師の理学療法の指示があり、リハビリが始まるわけですが、一人の患者に理学療法士だけが関わっているということはほぼなく、医師・看護師・薬剤師・栄養士・社会福祉士、作業療法士、言語聴覚士など、本当にたくさんの職種の方が関わっています。

 発生する事象によって、どの職種にホウレンソウするかも変わってきますが、どの職種もみな、新人でない限りは各々の仕事の合間を縫って話を受ける事になるので、小さな事でも、報告したり相談したりする時には多少の緊張を伴います。

 少しお門違いな相談で手を煩わしてしまった日には、怒られたり、注意される事もあるでしょう。医療サービスはある程度仕事が柔軟な分、匙加減を間違えないようにかなり気を遣う職業ともいえます。

 また、理学療法という仕事も結局の所、「これが正解だ!」というものはなく、患者さんの状態に合わせてプログラムを立案し、遂行、修正を重ねていきます。

 理学療法士にも「色」があり、Aというスタッフからは好評でもBというスタッフからは酷評なリハビリという内容も存在します。

 そんな中で上手く生きていくためには、人間関係を良好に保つだけでなく、自己研鑽に励み、他人の意見に耳を傾け、その上で自分の意見をわかりやすく説明する事も出来る必要があります。

肉体的疲労

足腰への物理的な負担が多い

 勤務する環境によりますが、リハビリという仕事上、他者の体を持ち上げたり、支えたりするというのは日常茶飯事です。

 理学療法士というと、腰痛に対するリハビリや、腰痛をきたしにくい動作の指導を行う事は多いのですが…理学療法士自身が腰を痛めるというのはよくある事です。

 その道の専門であっても、腰痛を減らす事はできても、体を使う仕事である以上腰への負担を0にするのは無理です。とにかくこの業界、ぎっくり腰になる方がとにかく多いです。

長時間労働

 長時間労働といっても、夜中の11時まで働くようなケースはほとんどありません。

 しかし、定時(例えば17時)以降でないと行えない事も山ほどあるのも事実です。

 特に収益が発生しない様な業務(申し送りやサマリーの作成、係業務、ケアマネへの連絡業務など)はリハビリ業務後に行うケースが多いでしょう。

 病院によっては、書類業務という名目で時間を取らせてくれるところもあるかと思いますが…1週間に1時間取れるか取れないかくらいだと思います。

 そして、周りに気を配れる人や仕事ができる人ほど、仕事が振られるケースが多いです。信頼できない人に仕事は回されませんからね。結果的に、真面目に前向きに仕事に取り組む人ほど定時で帰れなくなるという自体になります。

 振られる業務内容の難易度が上がっていけば、昇進しやすくなるとも言えるので、悪いことではありません。また、リハビリ以外の業務時間の交渉ができる方であれば、残業時間を短くすることもできるでしょう。

【原因別】きつい原因が払拭できる働き方って?

精神的疲労に対してできる事

マルチタスクを減らす

 専門に特化した環境で働く:

 私たち理学療法士の仕事は、働く環境によっては介護や看護、事務のような業務が入れ混ざったりします。

 これを改善するには、理学療法士にしかできない事に特化した業務を中心に行う職場がおすすめです。

・インソールの製作

・自費診療

・整形外科

  上記は、より専門性が求められる分、診るべきポイントが医療機関や在宅と異なり限定されます。

  マルチタスクを減らすだけでなく、理学療法士ならではの経験が積み重なり、市場価値を高める事ができます。

人間関係

 自分のキャラクターに合った環境で働く:

 良好な人間関係は、あなたの仕事の満足度を多いにUPさせます。

 あなたのキャラクターに合わせて、働く環境は選んだ方が良いでしょう。ただ、自分がどんなキャラクターでどんな環境が働きやすいのかは、わからない方も多いと思います。

 そのため、あなたの知人(同期やあなたが信頼のおける人)や転職エージェントのコンサルタントに相談してみるのがおすすめです。

・小規模で少人数な職場…その職場に自分のキャラクターが合えば、仕事がしやすい【老健、訪問リハビリ、自費診療など】

・同じ様な境遇の人がいる職場…特に主婦で時短勤務をされるような方の場合

・知人や相談員に聞いてみる…求人からはわからない人間関係について事前に調べられる

肉体的疲労に対してできる事

足腰の負担

 患者さんの介助量が多い環境を避ける:

 例えば、急性期病院は、病気や怪我を発症して間もないため、介助量が多くなりがちです。

 療養病院の場合も自宅では介護ができないほど、介助量が多いケースが多いので、このような環境は避けた方が良いでしょう。

例:通いのサービス…整形外科、デイサービスなど

通いのサービスの場合、少なくとも自宅から自分で通えるか、家族の介助下で通える患者さんが多い

長時間労働

 スタッフの多い職場や書類業務が多い環境を避ける:

 どうしようもない事ですが、勤務する環境によって、発生する業務量は代わります。しかし、理学療法士が作成する書類業務については、収益が発生しないものも多く、作成する書類業務が多いからといって給与が良いということはありません。

 そして、入退院が多い医療期間ではサマリーやカンファレンス、打ち合わせ等が多くなるため、書類業務は増えるといえるでしょう。

 また、スタッフが多い環境も実習生や新人への指導が多くなる傾向があるため、リハビリ業務以外で時間を割かなければなりません。

例:療養病院、デイサービス、整形外科、自費診療

スタッフ数が少ない&書類業務が少ない環境を選ぼう

ウルトラC!?自分で環境を変えてみる

 もし、職場や企業が業務環境の改善に意欲的で、あなたが役職者へ意見を言える立場であれば、あなたが業務環境の改善を試みるのも「あり」です。

◯勤務時間を短くするために、現在頻繁に作成している書類を簡易化してみる

◯体の負担が少ない部署への移転を考える

働いている環境は、職場が小さければまだ変えやすいですが、規模が大きいほど、エネルギーを使います。その努力が、将来自分に給与や昇格などの良い形で帰ってくるならやってみる価値があります。

 しかし、今いる環境が変化に柔軟でない場合には、自分自身が環境を変えてしまう方が楽で早いと思います。

自分自身が変わってみる

 もし、きついと感じる理由が、自分が変わる事によって乗り越える事ができるものであれば、仕事のやり方を変える事はできるでしょう。

例:

常にいっぱいいっぱいの場合:業務と業務の間に、頭を休ませる時間を設けて、効率の向上を図る

完璧主義すぎて仕事が終わらない:完璧を目指さない、6割でも良いから完璧ではなく、完遂を目指す

転職を考える場合

 もしこの記事を読んでみて、「早めに転職した方が良いかも」と感じた場合には、理学療法士としてどのような働き方があるかを調べましょう。

 転職をする時には、転職支援サービスを利用する事になります。転職支援サービスとは、転職サイトや転職エージェントのことをさします。

 私のおすすめは、転職エージェントを通した転職です。理由は、転職サイトには広範囲な求人が掲載されていますが、良い求人もブラックな求人も混ざっている状態だからです。

 転職サイトに対して転職エージェントは、担当のコンサルタントが着き、転職に至るまで丁寧に対応してくれるのでおすすめです。ちなみに無料で利用できます。

どうして無料で利用できるの?

企業は、希望する人材を採用する代わりに、転職エージェントに多額の報酬を支払っています。相場は、人材の年収にもよりますが、常勤であれば100万円以上です。そして、採用が決定しなければその報酬は支払われないので、最後まで丁寧にサポートして下さいます。(私もエージェントを利用しました)

 ここまで、理学療法士の仕事がきついと感じる理由を挙げてきましたが、あなたに当てはまるものはありましたか?

 人それぞれ、きついと感じる原因は異なります。

 その「きつい」感覚は理学療法士としての仕事の「やりがい」や収入」を天秤にかけた時にあなたはそれでも「今の職場で働きた続けたい」と思いますか?

 理学療法士としての仕事のやりがいは、あなたの満足度に大きな影響を与えます。

 もしあなたがこれから、同じ職場で働き続ける事は無理と思われたようであれば、将来のあなたのために、早めに対策を練りましょう。