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【2040年】理学療法士の供給が需要の1.5倍に…あなたはどう生き抜きたいか

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厚生労働省の医療従事者の需給に関する検討会 理学療法士・作業療法士分科会(第3回)にて、2040年に理学療法士・作業療法士の供給が需要の1.5倍となる試算が出ています。

 この資料は2019年に出されたもので、資料が出された時点で既に供給は需要を上回っている様です。

 この記事では、理学療法士の供給が需要を上回ることによって、今後どのようなことが想定されるかをお伝えします。そして、想定されることに対して、今私たちができることを解説していきます。

理学療法士の供給が需要を上回ることにより、想定される事

 それではここから具体的に、理学療法士の供給が需要を上回った時に起こりうることを挙げていきます。

給料が安くなる

 需要が供給を下回れば、当然ですが給与は下がることが考えられます。

 昔から働いている方は既にお気づきですが、以前と比べると理学療法士がもらえる年収は緩やかに下がっています。それが今後も続いていくことが考えられます。

採用基準が厳しくなる

 供給が増えれば、採用数よりも働きたいという理学療法士が増えることになります。すると、雇用主は優秀な理学療法士を採用しようと基準が厳しくなります。

 具体的には、その企業に対してメリットのある人材です。他者と比べてどのような仕事をこなすことが出来るのか、どのような資格を持っているのかといった点などです。

専門性が薄い諸業務が増える

理学療法士の供給増加に対して、介護職は常に人材不足です。

 病院などでは日常生活動作訓練と称したモーニングケアやナイトケアを導入している病院も増えています。朝や夜のお着替え、歯磨き、トイレ、オムツ替えなどの生活支援を理学療法士も行います。

 もちろん生活に根ざしたトレーニングはとても大切で、そこから発見できる事もたくさんあるはずです。しかし、このようにやや専門性が薄れかねない業務が既に顕在化していることを覚えておいてください。

 そして、そのような業務は働く場所(特に規模の大きい病院など)によっては今後も増えていくことが考えられます。

従来と異なる働き方を検討する人が増える

 上記3つ(給料が安くなる、採用基準が厳しくなる、専門性が薄い諸業務をせざるを得ない)が生じてくる事によって、働き方を考える方が増えていきます。

 具体的には、病院や事業所などに雇用されるのではなく、自分の専門性を磨いて、サービスを作り提供するフリーランスのような働き方を検討するケースです。

もちろん、全く異なるビジネスを始める方もいるでしょう。

需要供給に負けずに生き抜くために【今からできる事】

 以上の話を踏まえ、今からできる事についてお伝えしていきます。

 結論から申しますと、病院や事業所に「採用したい」と思われる様な理学療法士になりましょう。

 もしくは、開業して自分一人でも稼いでいける様な仕組みを作るのも良いです。

 そのためには、他の理学療法士から差別化できる何かを身につけていく必要があります。しかし、闇雲に差別化を図ろうとするのは避けましょう。

 理由は差別化したい方向が誤ってしまうと、ゆくゆく辛い思いをする可能性があるためです。

 なるべく苦なく、楽しく差別化を図っていくために、以下のポイントをご覧ください。

  1. 自分が得意な事を探す
  2. 自分がやりがいを感じる事は何かを考える
  3. 双方(①、②)が叶う様な環境がどこかを考える
  4. その環境で求められる理学療法士を目指す

1.自分が得意な事を探す

「自分に得意な事が思い当たらない」と思ってしまう方も中にはいるかもしれませんが、ご安心ください。

  • 他の人と違って苦なくできる
  • 他の人より早くこなすことができる

これらに当てはまるようなことでも十分です。

2.自分がやりがいを感じる事は何かを考える

次に、やりがいを感じることは何かを考えます。

  • 日々自分が進歩している感覚が得られる
  • 達成感がある
  • 経験が増える

 1、2は自分の仕事に対する満足感や幸せに関わってきます。

3.双方が叶う様な環境がどこかを考える

 自分が得意とすること、さらにやりがいを感じることを掛け合わせた時に、それらが叶う環境がどのような場所か考えましょう。

 なお、100%叶う様な完璧な環境を目指さなくても良いです。70%くらいでも良いです。雇用される以上は完璧に理想の環境は中々見つけられない可能性が高いためです。

 100%理想に合致していると思っても実際の環境を見てみたら70〜80%だったということもあるはずです。

 なぜ完璧な理想を追い求めない様お伝えするかというと、完璧を追い求めすぎると、色々な選択肢の中で思い悩んでしまい、結果的に行動が遅くなってしまう恐れがあるからです。

4.その環境で求められる理学療法士を目指す

最後に、あなたが自ら出した望ましい環境で求められる理学療法士になることです。

例)
  • 特殊な技術を持つ理学療法士として働きたい→極めたいと感じる技術の研修に参加する&その技術が使えるような環境で働き経験を増やす
  • 雑務に追われる事なく、治療に専念してたくさんの患者さんを助けたい→研修に参加する。技術を磨き、ゆくゆくは開業できるような準備を進めていく
  • 幅広い知識を持つ理学療法士として安定して働き続けたい→色々な環境(急性期、回復期、慢性期、在宅)で働き、経験を積む
  • 病院や事業所の運営に携わりたい→病院や事業所の方針や事業方針を読み込み、それに即した行動や経験を積む&医療や介護の診療報酬や情報などの知識を身につける
  • 自分で事業所を立ち上げたい→医療や介護の診療報酬や情報などの知識を身につける&実際に事業をおこなっている人に話を聞きにいく

まとめ

 2040年、理学療法士の供給が需要の1.5倍になるという試算が出ています。需要供給に負けずに生き抜くために今からできる事をしていきましょう。

具体的には、

  1. 自分が得意な事を探す
  2. 自分がやりがいを感じる事は何かを考える
  3. 双方(①、②)が叶う様な環境がどこかを考える
  4. その環境で求められる理学療法士を目指す

自分を見つめて考えて、自分が楽しく働くために行動する事が何よりも大切です。

完璧は求めず、あくまでもベターを目指しましょう。